‘ 本 ’ カテゴリーのアーカイブ

スプートニクの恋人

  • 2006年3月10日
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村上春樹の『スプートニクの恋人』を読み直した。話が思い出せなくて。辿るうちに終着。久しぶりに「貪り」読んだ。後半になるにつれ加速するめくる指。僕とすみれ、ミュウ。そして私。どんどん混ざってゆく。他人の日記を覗いているような錯覚に襲われる。それほど心理描写が巧みだということなのか。僕の痛みが伝わってきて(泣きそう、ではなくて)泣きたくなってしまった。   すみれは考えるために文章を書く。私はたぶん何かを確認するために書いている。記憶を刻み込むというのか。頭を使って手を動かして書き留める。試験勉強と同じで「記憶する」為にはいちばん有効的。繰り返し書く。繰り返し声に出して読む。自分のものになるまで。   私は本とか音楽とかと、基本的に(神経質なくらい)ものすごくじっくり向き合う。例えば、この話題が最初に出たのいつだろうとか、たった今めくったばかりの頁のセリフの言い回しだとか、気になるとすぐに確認しないと先に進めない。それは言葉尻が「だったね」だったか「だったよね」だったかというレベルの確認だったりする。何度も頁が戻り、探すために最初から読み直すこともある。   音楽も歌詞があればそう。言葉を丁寧になぞって、ふと意識が他に向いて少しでも聞き漏らしたときは戻す。だから普段、私の部屋にはBGMとかあまりかかっていない。寝る前に目を瞑りながら集中して聴く。睡眠が勝つまで朦朧としながら巻き戻して同じ部分を何度も聴く。病的なくらい。   『スプートニクの恋人』の最後は、江國香織『神様のボート』と似たような落ち着き方だった。どうなのよというひとも多そうだけど、私はすごく好きです。流れとか関係ないの。最後はああでないと寧ろ納得がいかない。[ もっと読む ]

すばらしい雲

  • 2006年1月15日
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「すばらしい雲」/サガン。二度め。ジョゼとアラン、気まぐれなパリジェンヌと嫉妬深いアメリカ人の美青年、若い夫婦。独特の世界観に惹きこまれて、どういう話だったか思い出そうとして捲りはじめたのにいつの間にか読み終っていた。このずるずる感は奇しくもジョゼのアランに対するあれと同じような。パリに行きたくなった、取りあえず。もう一度。   昨日、読書を中断するときに無意識にその時つまんでいたチョコレートの包み紙を栞代わりにはさんだ。それを戻ってきたときにみつけて、ひとりでちょっとにやりとしてしまった。「すばらしい雲」は古本屋で買ったのだけど、この本、チョコレートの香りがする。古本ぜんぶする気がする。ずっとそう思っていたのに、戻るまでその偶然に気づかなかったから。   2006年の幕開けと同時に読書欲も再燃してきた。でも読むのが早いせいでお金がかかる。装丁に惹かれてハードカバーを重ねると二、三冊だけで数千円になる。早くも「あ、これではたくさん読めない」と気づいて、久しぶりに古本屋をのぞきにいった。黴臭い空気(好き)と一冊百円台に目がきらきらした。   サガンはあと「悲しみよ こんにちは」くらいしか読んだことないのだけど、もっと読みたくなったのでアマゾンでも早速探してみた。1円からあって更にうきうきした。そういえば図書館も近くにある。借りに行こう。本を沢山読もう。   今日は「THE 有頂天ホテル」をみてきた。まあまあだった。色々な人が出てきて楽しかったけれどまとまりきれないまま無理やり終ってしまったような。肩の力ぬいてみられるところはいいかな。でもわざわざ映画館でみなくてもいいかも。ただ映画で使われていた鹿の被り物は欲しくなった。すごくいいホテルであれを被って、普通に静かに食事してみたい。という無意味な妄想がどうしてもすてきに思えて。   [ もっと読む ]

イルカとリリーフランキー

  • 2005年9月4日
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今、すごい雨。大雨。そして雷。でも雨の音は好き。   昨日、母さんとみてきた中古車の件は、一晩寝て考えた末に空色のヴィッツに決めた。そうしたら早速お店の人が家まで乗ってきてくれて初めて気づいたのだけど、地味な住宅街のなかでスカイブルーの車は浮いていた。渋い色の方がよかったかな、と頭をよぎったが、でも、目立つのはそれはそれでいいのかも。事故に遭いにくそうだし・・   母さんがここは南大門か東大門かと疑うほど巧みに値引き交渉をしていた。韓国人の気質は大阪人の気質と似ている、というのはほんとうだよ。おみごとです。   昼に蕎麦を食べた後、大きなキャンバスに描きかけたままずっと放置していた絵を、やっと白く塗りつぶした。   夕方、近くの中学校のプールまで自転車を飛ばした。1km泳ぐとはどういうものだろうと平泳ぎで挑戦して、300mの時点で腹筋が痛くなりながらもやがて治り、終ってみればこんなものかという呆気なさと爽快感。プールは混んでいて、お父さんと小学生という組み合わせを中心にみんな浮んだり沈んだり泳いだりしていた。   夜から雨が降りだした。   晴耕雨読を実践してみようと粋なことを考えた訳ではないけれど、夜からリリーフランキーの『東京タワー オカンと僕と、時々、オトン』を読み耽った。数時間前に読み終わった。書店の紹介文や本の帯や友人がいうように涙がダーダー流れる事態には陥らなかったが、じんときた。あったかくなった。   夕飯はさんまと焼きなすで、秋を感じた。テレビで日本の名曲やらで馴染みの曲が次々に流れてきて、我が家のオカンとオトンと共に、気がついたら『なごり雪』とか歌っている自分がいた。思い返せば朝はNHKのど自慢をみながら「今日は鐘が甘い」とか言い合ったり、のんきな日曜日だった。   妹は仕事でいなかったけれど、色々な意味で家族を感じた週末。たまには(最近たまにでもないけど)いいものだね、リリーさん。  [ もっと読む ]

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